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原田マハ「ロマンシエ」感想

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ロマンシエとはフランス語で「小説家」という意味。

パリを舞台にしたアート、BL、ラブコメです。

 

 

 

 

ロマンシエ あらすじ

 

 

 

 

 

 

乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ!

有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔 (おんみょうじみちのすけ)は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生光晴(はぶみはる)という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが……。 

 

 

ざっくりいうと、お姉系のゲイのミッシェル(本名:美智之輔)がパリで繰り広げるハードボイルドなアートと融合したラブコメディ。

 

ミッシェルがパリの街でいろいろな人と出会って、自由を見つけて、生きがいを見つけて、恋を見つけて、というような、今、何かのしがらみに囚われている人にはサックリ心に刺さるのではないでしょうか?

 

安定した生活のためにやりたいことを我慢している状況であったり、やりたくても世間の目とか周りの反応を気にしてしまって全然できていないことがあって、そういう状況だからこそどんどん自由に生きて、素の自分を出して、受けれてもらって、というミッシェルがうらやましい。パリの街がそうさせるのか…出会った人物がいいのか…ミッシェル自身がいい人間だからなのか…きっと、全部ですね。

 

 

ロマンシエ 感想

 

以下、ネタバレあります。

 

①8ページ読んですぐに最初から読みたくなる

 

ミッシェルこと美智之輔視点で話が進む8ページ。

美智之輔の仕事のこと、家族のことが描かれる8ページ。

でも、8ページ目になると一瞬混乱し、気づいたらまた1ページ目に戻っていました

 

…いやはやびっくりした。

 

 

②「ハル」との出会い

 

 最初、自分のアルバイト先でものすごい勢いでPCのキーボードを叩くハルに出会ったミッシェルはハルのことを男だと勘違いし、脳内パラダイスを来り広げます。しかしとある出来事でハルを女だと気づく。そして、ミッシェルが心から愛してやまないハードボイルド小説「暴れ鮫」の作者「羽生光晴」だということにも気づく。

 

この気づき方がとてもオシャレで。

ミッシェルはハルに「この汚いブタ野郎!というのをフランス語で言ってほしい」と頼まれます。これがきっかけでハルのフランス語生き字引になり(勝手に呼ばれていただけ)距離を縮め、友人関係に。この汚いブタ野郎というワードが暴れ鮫シリーズに出てきたことから作者だということに気づくミッシェル。

 

汚いブタ様様ですね。

 

 

リトグラフとの出会い

 

 

石版石(石灰岩)や金属板(アルミ板・ジンク板)の平らな版面(平版)を、油性インクを引き付ける部分と水分を保つ部分(インクを弾く部分)に化学的処理で分離し、水と油の反発作用を利用して専用のプレス機により刷る版画

 

リトグラフ - りとぐらふ | 武蔵野美術大学 造形ファイル

 

ハルと関わっていく中ですごく重要になるのがこのリトグラフ

作者の原田マハさんがキュレーターとして活躍していることもあって、

アートに関する部分は本当に深堀られていて、読んでいてわくわくする。

 

 

リトグラフも作品を作る人たちの想いや背景、技法などが詳しく説明されていて、リトグラフってどんな作品なんだろう?って気になって気になって。

 

 

 

Amazonで買える時代ってことにびっくりしました。

 

 

明るいハードボイルド×アート×ちょっとBL

 

誰かが死ぬこともなく、いいテンポで明るい気持ちで読み進めていくことができました!ミッシェルの妄想パートが特にテンションが高くて、心の中ではりゅうちぇるが実写化してくれていました。笑

 

ミッシェルの高瀬君への恋心がすべての原動力であり、支えであり。彼との再会が物語を動かして、結末にもつながっていく…。ミッシェル、ハル、そしてリトグラフ。すべてがいい方向に進んでいきました。あえて言うならヘテロエンドが途中で読めてちょっとう~んってなった

 

 

原田マハさんの以前読んだことのある「楽園のカンヴァス」とは違った作風で、それでも軸となる「アート」部分は全くぶれることなく大好きな一冊。

 

ミッシェルみたいに自分に素直に、自分の好きなことを見つけてやりたいことをやっていたらいつか明るい未来が来ると信じて。

 

 

 

 作中で行われた展示がリアルで開催!

 

物語の到着点にもなり、作中で行われた展示会「君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。」が、実際に東京都で行われました。

 

こういったリアルとの連動企画も高まってしまいますね。

見に行きたかったー!!!!

 

 

www.ejrcf.or.jp